日本発の大麻品種「神童」って？日本での大麻栽培規制の実態についても説明！

日本で大麻は法律によって厳しく規制されていますが、日本発の大麻品種があることをご存知でしょうか？大麻の栽培や研究は、各都道府県知事から正式に許可を受けた人にしかできません。最近、北海道出身の大麻農家である青山哲也氏が大麻の新たな品種、神童を開発しました。

神童はすでにある日本産のとちぎしろや道産子と比較して、どういった違いのある品種なのでしょうか？ここでは、神童について詳しく解説します。最後まで読むことで神童の詳細だけではなく、日本の大麻農家や栽培事情についても知ることができるので、是非読んでください。

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「神童」は日本発の大麻品種

日本では、大麻を含む麻薬は法律で厳しく規制されています。しかし、大麻の品種の中には日本発のものがあります。最近開発された神童もその1つです。今まであった日本産大麻と神童について詳しく紹介します。

神童を開発した大麻農家の青山哲也氏についてや、開発した目的についても記載していますので、既存の日本産大麻との違いを知ることができます。

日本に大麻は2種類あった

日本では昔から大麻が栽培されています。大麻から取れる繊維が、衣類やカバン、縄などの素材となるからです。他にも種子は脂肪酸などの栄養を豊富に含んでいるため食用にも使われます。

実際に栃木県ではとちぎしろ、北海道では道産子といった日本産の大麻が今でも栽培が続いているのです。ここではとちぎしろと道産子について詳しく見ていきましょう。

①とちぎしろ

とちぎしろは栃木県で品種改良された無毒大麻です。1950年頃から高THC品種の盗難が社会問題となったため、THCを含まない品種を作るプロジェクトが発足します。8年間の研究の末、1983年に開発されたのがとちぎしろです。

とちぎしろのTHC含有率は0.2%で、ヨーロッパなどが産業用大麻の基準にしている0.3%未満を満たすため、産業用大麻であることは間違いありません。THCがほとんど含まれていないので、キチンと管理すれば、フェンスや柵を立てなくても栽培することができます。

しかし、とちぎしろは栃木県意外で新しく栽培を始めることは困難です。なぜなら、栃木県外への持ち出しを固く禁じているからです。

②道産子

道産子

道産子は北海道で自生している大麻です。どれだけ抜いても生えてくるので、一部地域では大麻抜きが毎年の恒例行事になっています。実はこの大麻は、昭和以前に繊維を得るために栽培していたものが野生化したものなのです。THC濃度は1%以下と低い値を示しています。

THC濃度が低い理由としては品種の問題もあるのですが、誰も栽培を管理していないことも理由の一つです。大麻でもっとも多くTHCが含まれているのは受粉前の雌株の花です。海外の大麻農家は雌株に受粉させないようにしっかりと管理して育てます。管理者がいないと雌株が受粉して種子になるので、THCを含む部分が少なくなってしまうわけです。

日本の法律では大麻の所持・栽培が規制されているので、自生しているエリアは収穫シーズンになると見回りを行う警察の姿が多く見られるようになります。

「神童」はどんな品種？

神童は北海道出身の大麻農家である青山哲也氏が、シンデレラ99と北海道の道産子を掛け合わせて開発した品種です。CBDの含有量が多く、THCも10~15%含まれており、レモンの風味が強めにあります。ここでは神童についての詳しい情報と、開発者の青山哲也氏について紹介します。

医療目的で開発された大麻

神童は医療目的で開発された大麻です。サディバ優勢のハイブリッドに分類される品種で、不眠症やがん、うつ病の治療に役立つといわれています。さらに神童の場合は覚醒効果が高く、体が軽くなるため行動的になります。一方で、眠ろうと思えば眠ることも出来るので、使い勝手の良い品種です。

THC含有率が10~15%、CBDの量も品種改良により多くなっているため、医療効果があることが期待されています。

開発者は北海道出身の大麻農家

神童を開発したのは、北海道出身の大麻農家である青山哲也氏です。大麻草の安全性や医療効果のを周知させる活動をしています。ところが2018年12月に、29kgの乾燥大麻を所持していたことにより大麻取締法違反により逮捕されてしまいました。

所持の理由は、病人や患者への無償提供や、医療目的の栽培・研究です。青山氏は医療大麻を通して、世の中をより良く出来ると考えていました。逮捕後から裁判までの間に青山氏の無罪を支援する会が発足し、彼の考えに賛同する2700名を超える人の署名が集まったのです。しかし、2020年3月に裁判で営利目的が認められたため、有罪の判決が下りました。

開発者は北海道出身の大麻農家

日本の大麻栽培の実情

とちぎしろや神童など、日本発の大麻品種がある中で、日本の大麻栽培事情はどうなっているのでしょうか？日本には大麻取締法があるため、栽培はもちろん所持しているだけでも違法になります。ただし、許可さえ受ければ栽培することは可能です。

ここでは、取り扱いには許可が必要な大麻の栽培や開発事情、取締り事情を紹介します。

日本の大麻農家は免許制

日本で大麻農家になるには、各都道府県知事が交付する大麻取扱者の免許が必要です。代表者が免許を持っていれば、家族やその会社の従業員は栽培に従事することができます。申請の窓口は各都道府県の薬務課となっており、そこで申請書を取得して審査に臨みます。

しかし薬務課は大麻を取り締まっている部署なので、申請書を取得できないことが多いのも事実です。栽培目的や生産物の利用方法など、入念に計画したうえで交渉に臨む必要があります。免許の有効期限は、毎年12月31日までとなっており1年ごとの更新が必要です。さらに、1月までには栽培実績を報告する義務もあります。

日本では大麻開発のハードルが高い

日本で大麻の新しい品種や商品を開発することは非常に困難です。日本では大麻取締法により、たとえTHC濃度が低い産業用であっても免許を持つ人でないと持ち出せないからです。さらに研究するにも栽培とは異なる免許が必要になるのでよりハードルが高いと言えます。

ヨーロッパや、カナダなどではTHC濃度が0.3%未満の品種を産業用大麻として、日本では規制されている葉や花も商品化されています。日本とは規制の基準が明確に違うのです。

大麻の無免許栽培への取締り

先述の通り、大麻を栽培するには免許が必要です。無免許で栽培した場合には、法律違反により罪に問われます。無免許での大麻栽培は、営利目的であるかどうかで刑罰が異なります。それぞれの場合でどういった刑罰が科されるのか詳しく解説します。

営利目的の場合

自分で楽しむためではなく、他人と取引して利益を得る目的で大麻を栽培した場合、以下のような罪に問われます。
大麻取締法24条2項(営利目的栽培等)
「10年以下の懲役または情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金。
第二十四条２　営利の目的で前項の罪を犯した者は、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び三百万円以下の罰金に処する。」
引用元：https://atombengo.com/lawdb/taima/keibatsu

営利目的であるかどうかは一般的に、大麻の量や金銭のやり取りがあったかどうかで判断されます。

非営利目的の場合

個人で楽しむためだけに大麻を栽培した場合に問われる罪は以下のようなものです。
大麻取締法24条1項栽培等
「7年以下の懲役
第二十四条　大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、七年以下の懲役に処する。」
引用元：https://atombengo.com/lawdb/taima/keibatsu

この条文に出てくる大麻という言葉は、合法とされている部分と製品を除いた大麻の部分や製品すべてを指します。大麻である可能性があるというだけで処罰される可能性があるので注意が必要です。