2021.01.13 マリファナ
日本人が海外で大麻を吸うのは合法？日本と海外との違いや大麻取締法について解説
大麻の輸入や所持、使用などについて、日本では医療用、嗜好用問わず法律により規制されています。しかし、世界には大麻合法国も存在していることはご存知でしょう。
「大麻合法国で、日本人が大麻を吸っても違法になるのか」
「大麻合法国では、大麻の使用にあたりどんな決まりが設けられているのか」
この記事では、大麻合法国で、日本人が大麻を吸った場合どうなるのかについて徹底解説。大麻合法国の規制法や日本の「大麻取締法」で定められている違法行為、罰則について詳しくお伝えしますのでぜひ最後までお読みください。
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大麻合法国と規制法の例
大麻が合法化されている海外の国々では、大麻の使用に関してどのような決まりが設けられているのでしょうか。また、合法化は人々にどんな影響を与えているのでしょうか。
大麻が合法化されているといっても、一様ではありません。使用用途や使用量が限られていることがほとんどです。国によっては一部の地域のみ使用可能というような国も存在します。ここでは、大麻合法国のなかで、下記2か国を例にあげて確認してみましょう。
- 世界初の大麻合法国 ”ウルグアイ”
- 州によっては合法 ”アメリカ”
世界初の大麻合法国 ”ウルグアイ”
ウルグアイは、世界で初めて大麻が合法化された国です。合法化されたのは、2013年。政府の管理のもとでのみ大麻の製造と販売を行うことが法律により許可されました。ウルグアイが大麻を合法化した理由は麻薬密売による犯罪組織の拡大を防ぐためです。
2017年には、政府が許可した店頭などで大麻を購入できるようになりました。購入できる人と量に制限が設けられています。一定期間ごとに決められた量の範囲で、政府から承認された18歳以上の市民と永住者のみが購入可能。
州によっては合法 ”アメリカ”
アメリカでは、各州により大麻に関する規制内容が異なっています。大麻が合法かは各州の住民投票により決められており、医療用としてのみ許可している州もあれば、一部では嗜好用としての使用まで可能な州も。細かくは州によって違うものの、嗜好用として使用する場合は基本的に下記のような規制が設けられているところが多いです。
- 購入可能な年齢は21歳以上
- 購入できる量に上限あり
- 公共の場所での使用禁止
- 運転前の使用禁止
- 他州への持ち込み禁止
アメリカで嗜好用としても大麻が合法化されている州は、15州にものぼります。（2020年11月現在）なかでもコロラド州では、大麻を店頭に置くドラックストアが数多く存在しており、合法化により増えた税収をもとに奨学金制度も運営。合法化により大麻は市民の生活に自然と溶け込み、生活の助けにもなっています。
各州で合法化がすすみ有益な効果をもたらす一方で、子どもや若者の大麻使用が問題化。合法化された大麻が人々の生活や人体にどんな影響を与えるのか各方面での研究が進んでいます。
日本の大麻取締法についてわかりやすく解説
ここまで、大麻が合法化された国の事例を紹介してきましたがいかがでしたでしたか。大麻合法国でも、それぞれ大麻の使用年齢や量など細かいルールが設けられています。また、大麻の合法化が社会にもたらすメリットやデメリットも様々であることが分かりました。
ここからは、大麻について定められている日本の法律「大麻取締法」について理解を深めましょう。法律に違反した場合に課せられる罰則まで詳細に確認していきましょう。
日本でも大麻の「使用」は違法ではない！？
日本では、「大麻取締法」により大麻は違法な薬物として規制されています。しかし、「大麻取締法」で厳罰の対象と定められているのは、大麻の「所持」や「譲受」のみ。他の規制されている薬物と違い、大麻は「使用」のみでは厳罰の対象とならないことをご存知でしたか。
大麻はアルコールやタバコに比べて依存性が少ないとも言われていますが、大麻の「使用」のみで厳罰の対象とならないのは、人体に与える影響の大きさが理由ではありません。以下で詳しく解説します。
大麻取締法で規定されている違法行為と罰則
「大麻取締法」では、大麻の取り扱いについて次のように規定されています。
第三条 大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。
２ この法律の規定により大麻を所持することができる者は、大麻をその所持する目的以外の目的に使用してはならない。
引用元：大麻取締法
大麻取扱者とは、事前に許可を受けた研究者や栽培者のこと。「大麻取扱法」では、大麻取扱者が大麻を本来の目的以外に「使用」することと、その他一般国民が次の4つの行為を行うことを禁じています。
- 所持
- 譲渡、譲受
- 栽培
- 輸出入
上記の規定を違反した場合、それぞれどんな厳罰が科せられるのでしょうか。
所持
大麻を所持した場合の罰則は次のように定められています。
第二十四条の二 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。
２ 営利の目的で前項の罪を犯した者は、七年以下の懲役に処し、又は情状により七年以下の懲役及び二百万円以下の罰金に処する。
引用元：大麻取締法
大麻を持っていた場合には、5年以下の懲役。もし、大麻を利用して利益を得ようとしていた場合には、7年以下の懲役です。場合によっては、懲役刑に加えて200万円以下の罰金も科せられます。
譲渡、譲受
大麻を譲渡や譲受した場合にも、所持していた場合と同様の厳罰が科せられます。
科せられる厳罰は、5年以下の懲役。もし、大麻の譲渡、譲受により利益を得ようと企んでいた場合には、7年以下の懲役です。場合によっては、懲役刑に加え200万円以下の罰金刑もプラスされます。
栽培
大麻の栽培をしたの罰則は次のように定められています。
第二十四条 大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、七年以下の懲役に処する。
２ 営利の目的で前項の罪を犯した者は、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び三百万円以下の罰金に処する。
引用元：大麻取締法
大麻の栽培に関しては、7年以下の懲役。もし、利益を得ようとして大麻を栽培していた場合には、10年以下の懲役です。さらに、状況によっては300万円の罰金刑も追加されます。
輸出入
大麻の輸出入に関しても、栽培時と同様の厳罰が科せられます。
7年以下の懲役、利益を得ようとしていた場合には10年以下の懲役です。さらに、状況によっては300万円の罰金刑も科せられます。
大麻の「使用」が違法ではない理由は、伝統的に使用されているから！？
では、なぜ大麻の「使用」に関する罰則は規定されていないのでしょうか。「大麻取締法」では、大麻について次のように定義されています。
第一条 「大麻」とは、大麻草（カンナビス・サティバ・エル）及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品（樹脂を除く。）並びに大麻草の種子及びその製品を除く。
引用元：大麻取締法
大麻草のなかでも有害でない「茎」や「種子」については、「大麻取締法」の規制対象外になっています。実は、大麻草の「茎」や「種子」の部分は、私たち日本人の生活に欠かせないもの。大麻草の「茎」は麻織物、「種子」は七味唐辛子の原料として伝統的に利用されてきました。
大麻使用の証拠となる尿検査。規制対象外の「茎」や「種子」を摂取していても陽性となる可能性があります。つまり、尿検査では違法性のある大麻草の部位を使用したのか見極めらないのです。
大麻草について厳罰の適用範囲をはっきりさせるため、大麻の「使用」のみに関する罰則は設けられていません。しかし、使用する際に必然的に所持や譲受をなどの行為を必要とするため、実質的には違法なので厳罰からは免れません。
大麻合法国で日本人が大麻を使用しても違法にならない！？
大麻合法国の実情と日本の「大麻取締法」について理解が深まったところで、本題に入ります。万一、日本人が大麻合法国で大麻を使用した場合、違法なのか、厳罰の対象になるのか気になるところに迫ります。
刑法2条によって処罰の対象
日本人が大麻合法国を訪れた際、「合法国なら大丈夫なのでは」と軽い気持ちで大麻に手を出してしまうケースも珍しくありません。しかし、日本の法律では、海外で日本人が大麻を使用することも違法にあたります。
「大麻取締法」第二十四条の八では、大麻の所持や譲受、譲渡をした場合の罰則について“刑法第二条の例に従う”としています。刑法第二条は、日本人が日本国外で行ったことについては、日本の刑法が適用されることを規定したもの。
つまり、海外で大麻の所持や譲受、譲渡をした場合でも「大麻規制法」違反となります。大麻合法国であっても、日本人が大麻を所持や譲渡、譲受することは許されません。
実際には違法だが立件は難しい
大麻合法国であっても日本人が大麻を使用することは違法です。しかし、先にお伝えしているとおり、「大麻取締法」では、大麻の「使用」のみに関する罰則は設けられていません。立件するためには海外で大麻を所持、譲受した証拠をつかむことが必要なので、捜査が難航し立件まで至らないことが多いのが現状です。
まとめ：日本人が海外で大麻を吸ったら違法
この記事では、大麻合法国の規制法や日本の「大麻取締法」で定められている違法行為、罰則について詳しくお伝えました。結論として、日本人が海外で大麻を吸うことは違法行為です。
万一、日本人が海外で大麻を吸った場合でも立件まで至ることは少ないですが、だからといって興味本位で気軽に大麻を吸うべきではありません。海外で大麻の味を覚え常習者となってしまった例もあります。
また、大麻合法国では飴などのお菓子に大麻が含まれていたり、タバコのような感覚で現地の人から勧められたりすることも。自覚なく大麻を摂取してしまう可能性もあります。海外、特に大麻合法国を訪れる際には渡航先の大麻に関する実情を事前に調査しておくのがおすすめです。うっかり大麻に手を出してしまうことのないよう十分注意して旅を楽しみましょう。
※当メディアで大麻関連の情報を発信しておりますが、大麻の所持・使用を推奨するものではありません。日本では大麻の所持や栽培は法律により固く禁じられています。絶対に大麻を使用しないでください。
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